皆さんが運転する際には、きっと法定速度を守っていらっしゃることと思います。スピードの出しすぎによる危険性はこのコラムで何度もお伝えしていますので、今回はスピードオーバーになりやすい状況とマナーを考えてみたいと思います。
あなたは19時までに大事なお客様を迎えに空港まで車で行かなければいけません。自宅から空港までは渋滞を見越しても2時間かかる計算です。
しかし出がけに別の用事が入ってしまったため、17時前に家を出る予定が17時10分になってしました。カーナビをセットする間も惜しいのでとりあえずは発進。ハンドルを握りながら走行経路と所要時間を頭の中で素早く計算します。17時20分、高速道路は渋滞のピークです。予測はしていたものの、すでに20分のロスタイムが発生しているので、時間を取り戻そうと抜け道に。
しかし、気がつくと住宅街に迷い込んでいました。一度パニックになるとパニックから抜け出せず、同じところを何度もぐるぐると回っています。無情にも時間はどんどん過ぎていき、イライラは募るばかり……。
そして18時、ようやく幹線道路に繋がる道に出たので「さあ、行くぞ」とアクセルを踏み込んだ瞬間に……!?
さて、この状況の問題点はふたつ考えられます。ひとつは事前に十分な運行計画を立てていなかったこと。
もうひとつは、抜け道が裏目に出たことです。カーナビの普及により、初めての道でも迷わなくなったとはいえ、カーナビを過信しすぎるのは禁物。
カーナビには通学路や飛び出しが多い交差点も経路として表示される場合がありますし、土地勘のない所でスムーズに運転するのは困難です。渋滞情報にタイムラグがある場合もあります。
また、生活道路を抜け道として利用するドライバーのマナーの悪さを指摘する声もあがっています。
商店街や住宅街の裏路地を何度も行き来したり、T字路で立ち往生している姿はかっこいいものではありませんし、地域住民にとって進入してきた“よその車”は、とても危険な存在なのです。
そうならないためには、余裕を持って家を出ること。そして急いでいても道を間違えても冷静さを失わないでいること。
事故を防ぐだけでなくほか人に迷惑をかけないようにするためには、焦る気持ちを抑えたスマートなドライビングを心がけたいものです。