今年も早いもので残すところあとすこし。ご家庭では大掃除や年賀状の準備に追われていたりと年末ムードが高まっていることでしょう。今回は、この時期ならではの注意点をお伝えしたいと思います。
街にも人があふれるように、この時期は道路も大変な混雑を迎えます。
ケーキ工場にはクリスマスケーキの材料が毎日たくさん届けられ、酒屋は忘年会や新年会に向けてお酒をあちこちの飲食店に卸し、配送業者はお歳暮の仕分けと配送に奔走し、デパートは歳末セールや福袋用に大量の商品を物流センターから運び入れます。日本全国どこもかしこも大忙しで、幹線道路は常にトラックで大渋滞。
会社や店がお休みになると、道路事情は一変して、帰省ラッシュのマイカー族が車列を作ります。30日にかけて一瞬引けたかと思うと、今度は初詣や年始の挨拶に向かう車で再び交通量が増加。そして新年の3日にはUターンラッシュがスタート。
都心部と地方では若干のズレがあるものの、日によって交通量の増減が著しくなるのが年末年始なのです。帰省する方も行楽に出かける方も、いつもと違うということを頭に入れておいて十分な走行計画を立てるとともに安全運転を心がけましょう。
また、年末年始はお酒を飲む機会も増える時期。お正月に親戚のうちにみんなで集まって久しぶりに会話も弾むことでしょう。食事と一緒にお酒も出され、一口くらいならと……。いいえ、ダメです。飲酒運転は、視覚機能、判断力や注意力が低下し、赤信号を見落としたり、歩行者の発見が遅れたり、アクセルやブレーキ、ハンドル操作が不正確になるのです。そしてお酒を飲むと気が大きくなり、無謀な運転やルール違反も平気で行ってしまう危険性も。事故を起こしてから反省するのでは遅過ぎます。
酒酔い運転の罰則は「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」、酒気帯び運転の罰則は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっています。さらに、飲酒運転をする恐れがある者へ酒類の提供をした人、その者に同乗した人、または、運送を要求した人も処罰されることになりました。断っているにもかかわらずお酒を勧めてしまったり、お酒を飲んだ人に送っていってほしいとお願いした人も罪に問われるというわけです。運転者はしっかりとお酒を断り、酒を飲んで車を運転しようとする人がいたら必ず制止しましょう。
さらに、平成26年5月には「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が施行。危険運転致死傷罪に新たな類型を追加するなどして、悪質・危険な運転者に対する罰則がより強化されました。
楽しいはずの年末年始が悪夢にならないよう、「飲酒運転をしない、させない」をもう一度徹底してください。
これまで交通安全についてのお話をさせていただきましたが、運転とはテクニックよりもメンタリティがその安全性を左右するもの。最後まで気を抜かずに無事故・無違反で1年を締め括り、気持ちよく新年を迎えてください。それでは皆さんよいお年を!
下記リンクをご参考下さい
公益財団法人日本道路交通情報センター 渋滞予測