昨年、2021年1年間の全国の交通事故死者数は2,636人(前年比-203人)で、1948年以降の統計で過去最少となりました。2017年は統計開始以来過去最少でしたが、2018年以降、最少を5年連続で更新しています。
政府は2021年3月に策定した「第11次交通安全基本計画」に基づき、年間の死者数を2025年までに2,000人以下とする目標を掲げています。実現するために私たちは何をすればいいのでしょうか?
どんなに車の運転に慣れている人でも"初心忘れずべからず"。車を運転する動作は"認知→判断→操作"の繰り返しであるとされています。ほとんどの自動車事故はこのいずれかの過程でのミスで発生しますが、多くは「認知」「判断」でのミスによるものです。まずは、よく"みる"ことが安全運転の基本中の基本。"みる"には、「見る」、「観る」、「看る」、「診る」、「視る」という漢字をあてることができますが、運転する上では「見る」「視る」ことが重要です。つまり、目に映っているものをただ見るのではなく、"意識的に見る"、"直視する"ということを常に実行しなければなりません。
また、とっさの危険回避には運転姿勢が大切。シートの前後位置は、ブレーキペダルをいっぱいに踏み込んだとき、ひざがのびきらず、軽く余裕が残る位置に。背もたれ角度は、ハンドルをいっぱいに切っても背中が座席から浮かない角度に。もう一度、点検してみてください。
そして、制限速度を守り、カーブの手前ではスピードを落とすなど、基本的な運転ルールを守るのも必須。でも、運転中の自分の癖は自分で視ることはできませんので、なかなか気づきにくいものです。また、近年は65歳以上の高齢運転者による死亡事故もあとを絶たず、2017年3月12日からは高齢運転者の認知症対策の強化が盛り込まれた改正道路交通法が施行されました。自分自身の癖や認知機能にしっかり向き合うこともまたホスピタリティドライブ(おもいやり運転)につながっていきます。
これからも運転の基本を徹底させ、気持ちよく安全に車を運転していきましょう。