夕暮れ時から夜にかけて、交通事故が多く発生しています。特に日没が早くなる10月〜12月の16時〜20時には、高齢者の歩行者の死亡事故件数が増加。この時間帯はドライバーにとって、1日のうちで最も周囲が見えにくいと言われています。
警視庁では、自動車の前照灯を日没時より早めに点灯する“トライライト・オン運動”や「反射板(リフレクター)」を歩行者の服や持ち物、または自転車等に付ける“リフレクター運動”を推進中です。ドライバー、歩行者ともに注意を喚起して、夕暮れ時から夜にかけての交通事故防止を心がけていきましょう。
また、運転している環境の明るさの変化から起こる現象にも注意が必要です。とっさの事態にあわてないように、危険予測の対策をしっかりと!
まずは蒸発現象です。これは、夜間やトンネル内などの暗い場所で走行中、自分の車と対向車の前照灯の光が重なる場所に歩行者などがいた場合、突然蒸発したかのようにその歩行者が見えなくなってしまうものです。特に雨の日は路面が濡れ、車のライトが乱反射するので、さらにこの蒸発現象が起こりやすくなります。対向車が横断歩道手前で前照灯を点けたまま停車しているときなど、よく注意して走行しましょう。このような蒸発現象が起きそうな状況だなと思ったら、あらかじめ減速や一時停止をするなど防衛運転をするのも安全対策のひとつです。
そして、トンネルなどの暗い場所から明るい場所へ出たときに視界が白くなる逆光現象や、逆に、明るい場所から暗い場所に入ったときに視界が黒くなる溶け込み現象にも注意しましょう。これは環境の明るさの変化に人間の目が追いつかないことから起こるものです。人間の目が明るさの変化に慣れるまでには、3秒程度の時間を要するといわれています。その3秒の間に前方の確認が遅れてしまうと、玉突き事故などの大事故の発生につながりかねません。
急激な光の変化は、ドライバー側では防ぐことはできません。危険を予測し、それを回避するために、車間距離を十分取って余裕を持った運転をするのが一番の対処法です。トンネル出入り口が近付いたら、あらためて車間距離を確認し、トンネル内での点灯も徹底してください。
下記リンクをご参考下さい。
群馬県警察 蒸発現象